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2002年1月24日〜2月10日

 

サンビレッジ

 

第5章 静穏のランカウィ

A究極のレストラン

ホテルの隣にレストランがあった。手入れの行き届いた広い敷地にマレー料理・シーフード料理のレストランとハンドクラフトのお店があり、洗練された設計・デザインで統一されている。わたしたちはここに滞在中、ほとんど毎晩、ここで夕食をとった。お洒落なだけでなく、美味しいのだ。特にシーフードは今まで食べた中でどこよりも美味しいと言ってしまおう。

レストランのスタッフもきれいな物腰のしなやかな女性がほとんどで、その笑顔がとてもさわやかだった。ただ1人、「お姉さん」だけれどほんとは「お兄さん」だとわかる人がいて、「彼女」だけは少しとりすました感じがしたけれど、それはそれでよかった。(?)

あとでガイドブックなどを見てみると、ランカウィで一番有名なレストランだということで、わたしたちが食事をしている間も時折、日本人観光客がやってきていた。

ここで、思わぬ人たちに再会した。ペナンの空港で見かけた、あのどこか垢抜けた家族だ。背の高い長髪の男性のほうからわたしに声をかけてきた。「ペナンの空港で会いましたよね。」流暢な英語だ。考えてみれば、わたしたちも他人からみると、目に付く存在だ。西洋人の夫と東アジア人の妻。混ざり合ったその子供と、西洋人の祖母。「日本人ですよね。僕の娘たちも半分日本人なんですよ。」という彼の言葉に、「え、そうなんですか?」と奥さんに日本語で話し掛けるが、すかさずダンナさんが「でも彼女(=奥さん)はカナダ生まれだから日本語は喋れないんですよ。」 奥さんはちょっと決まり悪そうに肩をすくめる。カナダ生まれと言えども、その仕草にはやはりどこか日本人らしさを感じるのは気のせいか。男性は彼の子供達にむかって「この子(=リサのこと)は日本語が喋れるんだよ。」と話すと、女の子達は「へぇ〜」という表情でリサのことを見つめていた。

翌日もこの家族に会った。その様子からみて、どうやらレストランの客ということではないようだ。おそらく、ここのオーナー、またはプロデューサーだと思う。男性はマレーシア人なのか、あるいはカナダ系なのかはよくわからないけれど、地元の人ではない感じ。もう少し親しくなれたら、いろいろと面白い話ができたかもしれない。けれど、旅での出会いってこういうものだろう。家にいると絶対に出会うことのない人たちと、ほんの一瞬だけ時間と空間を共にする。その一瞬だけでは、多くを知ることはできないけれど、その人の存在を知ることができる。知らなかった人の存在を意識するということは、これはきっととても大きなことだと思う。ときにはそれが自分自身を変えてしまうことさえあるかもしれない。

ランカウィ最後の2日は別のちょっと高級なホテルに移動したのでこのレストランには来れなくなってしまった。ランカウィの海はシュノーケルもできず、クラゲもいて、ちょっと期待はずれだったけれど、このレストラン(「サンビレッジ」という)のお陰で、なんだかとてもよい印象になった。

おいしい食事・きれいなお姉さん・素敵なお店・大満足よ

つづく

これまでのお話

 

 

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