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ドイツを食べる


その2 肉 編
〈狂牛病騒動〉

ドイツでも狂牛病の発症が確認されたため、ここ数ヶ月、牛肉の消費ががた落ちだそうです。そもそも、わたしたちは狂牛病に関係なく、ドイツ産の固くてあまり美味しくない牛肉は殆ど食べません。かわりにアルゼンチンやブラジル産のお肉をよく買って、さっと焼いてステーキにしていただきます。日本の牛肉とくらべるとやや固めで脂分が少なめですが、肉自体の味わいが深くてなかなかいけます。

牛肉だけでなく、ソーセージやハムも牛肉が混ざっているものは敬遠されがち。豚のペストや鶏肉のダイオキシン汚染など普通の肉の安全性が疑問視されるなか、代替品としてめずらしいお肉が店頭に並んでいます。

そのなかでも人気らしいのはダチョウの肉。狂牛病が取り沙汰される随分前にオーストラリアレストランで食べていたので、肉屋のショーケースで目にした時、わたしたちは即座に買いました。赤っぽい肉でコクがあり、でも臭みのないところは十分牛肉のかわりを果たします。しかも、ドイツ産の牛肉のように固くない。カンガルー肉も同じような味わいです。どちらもステーキにして食べています。これでワニ肉がでてきたら、もうすっかりここはオーストラリアね。

ドイツのお肉は日本と比べるととても安いのが魅力(1キロ40マルクもだせば高級肉が買える。現在1マルクは60円弱)。でも、今回の狂牛病事件で工業化された農業の見直しが迫られるのは避けられないようで、検査の徹底のためのコストなども含め、割高なお肉になってしまいそうです。

 

〈ワイルドな肉たち〉

狂牛病騒ぎとは別に、クリスマスやお祝いなどの時に好んで食されるのが、Wild(ヴィルド)とよばれる野生動物たちです。猪・鹿・ウサギ・野鴨・キジ・ウズラなどなど。もう、すっかり「猟師が鉄砲で撃ってさ、煮てさ、焼いてさ、食ってさ。」の世界ですね。冷凍で売られているものが多いのですが、パッケージに「肉の中に弾がはいっていることがありますのでご注意ください。」などと書かれているとちょっとドキドキしちゃいます。

猪や鹿の肉は赤身で濃い味です。臭みが強いので慣れないと食べにくいでしょうが、「肉の味」がして自分の中にひそむ野性が刺激されます。こういう肉はフルーティなソースと相性が良いのです。コケモモ(Preiselbeeren)のソースがよく添えられます。

ウサギの肉はあっさりしていて少し鶏肉に似た感じだけれど、もっと筋ばっている。義母がよく作ってくれるサワークリームと胡椒のソース添えをそのうちマスターしたいのだけれど、なかなか彼女の味には届きません。修行が足りないようです。

鴨などの鳥類のお肉はGefluegelと呼ばれています。映画などで目にする鴨やガチョウの丸焼きは見た目も華やかでパーティにはぴったりです。意外と手間もかからず、1時間から2時間、オーブンのなかでおいしそうなゴールデンブラウンに変化していく様子をじっと見ていたりするわたしです。リンゴなどを中に詰めて焼くとおいしいです。

〈レギュラーな肉たち〉

豚肉や鶏肉などレギュラーなお肉の顔ぶれは日本と大差ありません。(こちらでレギュラーな七面鳥は日本ではあまりないですが。)ただ、大きな違いはプレゼンテーション、というか切られ方です。日本のように薄切りのお肉はまずありません。丸ごとかシチュー用にぶつ切り、ステーキ用に1センチから1.5センチ程度に切られているくらい。あるいはミンチです。薄切りが必要なときは丸ごと買ってきて、すこし凍らせてから包丁やスライサーで切ると良いようです。

鶏肉に関しては、骨なし腿肉は売られていません。胸肉は日本と同じように手に入りますが、照り焼きチキンなどを食べたいときは骨付き肉を買ってきて、自分で骨をはずします。最近は随分慣れてきてキッチンバサミをつかえばものの5分とかからずはずせるようになりました。おかげで肉が骨にどのようについているか、筋の様子など鶏肉の構造(?)について少し理解が深まりました。こちらの鶏肉は時々皮に羽がついていたりしてリアル。でも、生物の命をいただいてわたしたちが生かさせていただいている、ということを実感できます。

豚肉はドイツは本場で美味しい・・・こともあるのですが、時によっては水っぽくて味もたよりなかったりします。やっぱりこの辺が農業の工業化でしょうか。アイスバイン(豚足をこってり煮たもの)のように脂っこいもののほうがやけに美味しいと思うようになってきたのは環境のせいでしょうか、それとも年齢のせいでしょうか??ところで豚肉はリンゴとよく合います。

ちなみにドイツで夏によく行われるバーベキューの主役はいつも豚くんです。そのまま焼いたりタレ(マスタード味やチリ味)に漬けこんでから焼いたり。日本の焼肉とちがって、厚めの肉なので少しだけあぶってペロリ!というわけにもいかず、焼く係りの人がつききりでじっくり焼いてくれます。

スーパーの肉コーナーにときどき豚や牛の内臓や耳や尻尾や脳や舌や鼻がパックに入れられて売られています。(いわゆるモツですね。)ドイツ人もモツを食べるのか!と感心したのですが、どうやら、ペット用に買われるようです。なぁんだ。そう言えばすごく安い。でも、牛の舌(丸ごとです)は、薄く切って塩とレモンで食べたらおいしいのになぁ、と思いつつ、でもやっぱり買えない気の弱いわたしです。豚の鼻も並んでいるんだよ。すごいでしょ。

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