Lenggriesから車で移動しているとき道を間違えてしまったが、道路沿いにはアルプスの伝統的な民家がを見ることができた。バイエルン地方はカトリック教徒の多いところだが、特にこのあたりは信仰心が強く、道沿いにマリアやキリストを祀ったちいさなチャペルや十字架などを度々目にした。それらは鮮やかな彩りで飾られ、南欧や中南米での信仰をイメージさせる。ここがわたしたちが住んでいるのと同じドイツだとは信じられないほどである。
壁に描かれた絵が美しい。
道路脇の森の中に小さな駐車場があり、そこに車を止めて今日の山に登っていく。最初は木々の間をぬってひたすら登っていく。登山者の多くはスキーで使うようなストックを使っている。リサとわたしは落ちていた枝をストックがわりにして登っていく。これが、思いのほか足の負担を軽減してくれる。
歩こう、歩こう。わたしは元気。歩くの大好きぃ。いや、マジで。
かなり登ったところで森が開け、後ろにアルプスの山並みが姿を見ることができた。眼下には今まで歩いてきた森の木々が広がっている。これだけの高さまで自分の足で登ってきたのかと思うとなかなか感慨深い。
リサの歩調に合わせながら歩いているので、後方から何組ものグループに追い抜かれる。すでに山を降りてくるグループにも何組かすれ違ったが、みんなリサの姿に感心していた。そういえば、昨日の山とちがい、ここでは子供はほとんどみかけない。
ここでお昼を食べました。後ろにそびえる山には次の機会に登ろう。
ついに頂上にたどりつく。キリスト像が飾られた十字架の横に腰をおろしてお昼ごはん。今日はチーズの残りと缶詰のレバーブルスト。朝、町のパン屋で買ったパンとリンゴ。歩いているときは汗だくだったが、こうして座っていると少し肌寒くなってくる。
本当はこの先にも道があり、次の頂にも登れるのだが、かなり急な岩場でわたしたちのような子供連れにはむいていない。それに、ここまででも十分山登りの醍醐味は味わえたので今回はここで下山することにした。
心がなごみます。
山頂から少し下のところにある山小屋のそばには牛がのんびりと草をはんでいる。小屋の小さなテラスは登山者たちでいっぱいだ。年配の女性のグループが休憩しながらおしゃべりをしていた。その姿を見て、わたしの将来像が少し具体的になった。もし、年取って未亡人になっても、登山同好会に入って仲間といっしょに山歩きをして過ごす。
灰色の容器に牛乳が入っています。そしてビールのジョッキで牛乳を飲む。
この小屋で牛乳を注文すると、木をくり抜いて作った水桶に冷やしてある容器から直接グラスに注いでくれた。ああ、おいしい!
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