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8月25日(金)  車で移動して標高850mくらいのところからRossstein山頂(1576)まで徒歩で登る。同じ道を下り、車でSpitzingsee湖まで移動。そこで泊

Lenggriesから車で移動しているとき道を間違えてしまったが、道路沿いにはアルプスの伝統的な民家がを見ることができた。バイエルン地方はカトリック教徒の多いところだが、特にこのあたりは信仰心が強く、道沿いにマリアやキリストを祀ったちいさなチャペルや十字架などを度々目にした。それらは鮮やかな彩りで飾られ、南欧や中南米での信仰をイメージさせる。ここがわたしたちが住んでいるのと同じドイツだとは信じられないほどである。

壁に描かれた絵が美しい。

道路脇の森の中に小さな駐車場があり、そこに車を止めて今日の山に登っていく。最初は木々の間をぬってひたすら登っていく。登山者の多くはスキーで使うようなストックを使っている。リサとわたしは落ちていた枝をストックがわりにして登っていく。これが、思いのほか足の負担を軽減してくれる。

歩こう、歩こう。わたしは元気。歩くの大好きぃ。いや、マジで。

かなり登ったところで森が開け、後ろにアルプスの山並みが姿を見ることができた。眼下には今まで歩いてきた森の木々が広がっている。これだけの高さまで自分の足で登ってきたのかと思うとなかなか感慨深い。

リサの歩調に合わせながら歩いているので、後方から何組ものグループに追い抜かれる。すでに山を降りてくるグループにも何組かすれ違ったが、みんなリサの姿に感心していた。そういえば、昨日の山とちがい、ここでは子供はほとんどみかけない。

ここでお昼を食べました。後ろにそびえる山には次の機会に登ろう。

ついに頂上にたどりつく。キリスト像が飾られた十字架の横に腰をおろしてお昼ごはん。今日はチーズの残りと缶詰のレバーブルスト。朝、町のパン屋で買ったパンとリンゴ。歩いているときは汗だくだったが、こうして座っていると少し肌寒くなってくる。

本当はこの先にも道があり、次の頂にも登れるのだが、かなり急な岩場でわたしたちのような子供連れにはむいていない。それに、ここまででも十分山登りの醍醐味は味わえたので今回はここで下山することにした。

心がなごみます。

山頂から少し下のところにある山小屋のそばには牛がのんびりと草をはんでいる。小屋の小さなテラスは登山者たちでいっぱいだ。年配の女性のグループが休憩しながらおしゃべりをしていた。その姿を見て、わたしの将来像が少し具体的になった。もし、年取って未亡人になっても、登山同好会に入って仲間といっしょに山歩きをして過ごす。

灰色の容器に牛乳が入っています。そしてビールのジョッキで牛乳を飲む。

この小屋で牛乳を注文すると、木をくり抜いて作った水桶に冷やしてある容器から直接グラスに注いでくれた。ああ、おいしい!

 

8月25日(土)  湖のほとりでお祭りを楽しむ。Spitzingsee泊

 

アルプスには大小様々な湖が多くあり、夏は観光客で賑わう。わたしたちが3泊滞在するこのSpitzingsee湖は標高1085メートルという高いところに位置し、周りを山に囲まれた落ち着いたリゾートだ。

リサがボート運転してます。本当よ!

今日は山歩きはひと休みして、湖のほとりのホテルでゆっくりする予定だったが、偶然にここのサマーフェストに遭遇。湖岸の遊歩道は屋台でいっぱい。お昼過ぎからこのお祭りめあての地元のひとたちでだんだんと賑わってくる。

ここでなんと言っても感動したのは、この地方の民族衣装に身を包んだ人たちをたくさん見かけたことだ。羽のついたチロル帽子に皮の短ズボンというは、テレビの民謡番組では見たことはあるが、実際に普通のひとたちが身につけているのは初めて見た。女性は胸元をレースやフリルで飾られた白いブラウスにエプロンつきのスカート。子供たちも同じように着飾っている。そう、今日は「晴れ」の日。家族揃って「晴れ着」を着てお祭りに出掛けるという伝統が今でもここでは残っているのだ。(ベルリンではそんな伝統や伝統衣装は全く無い。)

こんなおじさんやお兄さんをたくさん見かけました。最初は芸人かと思った。

農家に保存されている古いトラクターのパレードもこの地方ならでは。轟音とともに行進していくトラクターを運転する農家のおじさんの得意げな顔が印象的。あと、屋台では魚のグリルが売られていた。ドイツのお祭りではソーセージやお肉のグリルというのは一般的だが棒に刺された丸ごとの魚を炭火で焼いているのは初めてである。早速一匹買って3人で食べてみた。味がよく効いていて美味しい!この湖で捕れたものかしらと思っていたが、どうやら鯖らしく、そういうわけではないようだ。大根おろしと一緒に食べたいなぁ、と思いながら食べているとなんだかそんな匂いがしてきた。隣に座っている女の人がザワークラウトを食べているのだ。ザワークラウトだけを食べるということも、この地方ならではの習慣かもしれない。ザワークラウトと焼き魚、合いそうです。

魚のグリル。アルミホイルと新聞紙に包んでくれます。

子供向けに小さなトランポリンなどもあるのだが、その横にあったのが「ロッククライミングコーナー」。地元の山岳協会が折りたたみ式の練習用の壁を設置して、誰でも体験できるのだ。登るのが大好きなリサは、他の子供がしているのを見て、もう待ちきれない様子。早速命綱をつけて登らせてもらった。これが、実に上手。補助をしてくれている男性に綱を引き上げてもらうことも殆どなく、自分で考えながら、器用に上へ上へと登っていく。7メートルくらいはある頂上へたどり着いたときは、周囲の見物客から思わず拍手が起こったほどであった。山岳協会の人も感心していたが、親としては、実際にロッククライミングなんてやりたいって言われたら大変、というのが本音。

あっという間にこんなに上まで登ってしまったリサ。

こうして子供は親の手の届かないところへ行ってしまうのか。

アルプスの音楽を聞きながらビールの1リットルジョッキ(巨大!)を傾ける。音楽にあわせて鞭を鳴らす踊りも見ることが出来、地方色豊かなひとときを過ごした。

1リットルジョッキ。ウェイトレスのお姉さんはこれを10個くらいは軽く運びます。

 

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