山歩き最終日。今日は昨日とは湖の反対側にある山に登る。湖の周囲を巡る遊歩道から続く道をひたすら歩き、ようやく山の中へ入る道にたどりつく。いきなり急な坂道。幅は広いが森の中を上へ上へと続く道はわたしたちのほか殆ど人影もない。リサも少し歩いては立ち止まり、元気付けのチョコレートを欲しがる。
なんとかその急斜面を乗り切り、少しなだらかな道となる。高山植物もこのへんになると多く生息している。特に青紫の美しいリンドウが群生している姿が目に付く。ところどころ、水が湧き出ていたり、小川が流れたりしている。上のほうに小さな湖があるというのでそこを目指して歩く。道を横切って流れる小川(・・というにはあまりに小さいか。)で水をすくって飲んでみた。冷たい。
小川で顔を洗う。気持ちいい!
しばらく行くと、今までみたのと少し違う種類の牛が放牧されていた。これは肉食用の牛ということだ。そういえば、悲しい目をしている。か、どうかはわからないが・・。
全体的に茶色で乳牛よりも奥ゆかしい感じの肉牛。
どうやら地図に記された道が実際とは少し違っているようで、例の湖に行くには草地の中を横切っていかなければならない。草の上には牛の糞がたくさんあり、また地面がぬかるんでいるので歩きにくい。やっとの思いで湖がみえてきた。想像よりはるかに地味な湖で、そのほとりに行くには急な坂道をくだっていかねばならない。それには及ばずということで、そこに腰をおろしてピクニックをした。下のほうでは年配の夫婦が倒れた枝に腰掛けてやはりピクニックをしている。ふと右手の急斜面を見上げると、一組の夫婦がゆっくりと下りて来ている。わたしたちはここを上に上っていかなくてはならないが、下から見上げると少しめまいがしそう。
リサが撮ってくれました。へへ。
枝を杖代わりにして、リサを助けながらなんとか頂上にたどりつくと、そこにはまた美しいアルプスの山並みがわたしたちを迎えてくれた。年配の女性がふたり、どれが何と言う山だと、しきりに話し込んでいる。片方の女性は1人で歩きに来ているようで、近くに住んでいるという。「今日で休暇がおしまいなの。明日から仕事よ。」ともうひとりの女性に話していた。聞き手のほうはハノーバーから夫婦で来ていて、近くに住んでいるというこの女性を羨ましがっていた。
頂上でぇす。ここにはスタンプなくて残念。
頂上からはリフトに乗って麓まで降りる。下りの心配をしないで登れるのはなかなか気分的に楽でいい。リフト乗り場のレストランでわたしは恒例となった牛乳を飲む。
古びた二人乗りのリフトはかなり長く、椅子の隙間からリサが落ちないかと心配だったが無事に麓までたどりついた。リフトの駅でリサはエーデルワイスをかたどったバッジを買った。(エーデルワイスは咲いてなかったけどさ。)
リフトに乗って一気に下山。今日は空いてます。ほかに数組いただけ。
こうしてわたしたちのアルプスでの日々は充実感と達成感、そして心地よい疲労感をもって幕を閉じたのである。
おしまい
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